社団法人 神奈川県宅地建物取引業協会社団法人 神奈川県宅地建物取引業協会

不動産物件情報の業務支援システム「KTツール」

社団法人 神奈川県宅地建物取引業協会は、会員の不動産物件情報のデジタル化促進を目的として、PDF フォーム、XML を活用した業務支援システムを2008 年11 月より提供開始。クライアント実行環境には、RIA(リッチインターネットアプリケーション)であるAdobe AIR を採用しました。

導入前の課題

神奈川宅建協会では、不動産業者の業務効率化や会員の保有する不動産情報を収集するため、以前より物件情報のデジタル化を推進してきました。しかし、会員には小規模な不動産業者も多く、思うようにデジタル化が進んでいませんでした。そこで不動産業務のスタンダードツールとして、会員が誰でも容易に利用できる業務支援システムの開発が検討されました。
開発にあたって同協会は、不動産業者がつねに扱っている媒体である不動産広告に着目しました。「KTツール」と名付けられた今回の新システムは、不動産広告のフォーマットに情報を 1 回入力するだけで、物件に関連する他の帳票にも自動的に内容を反映させ、重複入力や変更漏れなどを防止できる事が求められました。また、より多くの物件情報を協会で収集できるよう、入力ツールは会員に無償提供することで、利用促進を図ることが決定しました。そのため、ツールの実行環境が無償で入手可能であることも重要な要素でした。
さらに、この業務支援システムは、財団法人 東日本不動産流通機構が運用しているREINS(Real Estate Information Network System)などの上位システムとの連携も検討しました。不動産業者に土地や建物の売買を依頼する場合に締結する媒介契約などの一部は、宅地建物取引業法により指定された不動産流通機構への登録が義務付けられています。そのため、KT ツールで情報を入力するだけで、自動的に上位システムに登録できる仕組みを視野に入れました。

導入の理由

最大の課題である利用率の向上を図る上で、KT ツールはユーザビリティを重視しました。まず、入力環境には、従来の「紙」の不動産広告チラシと同様のインターフェースを提供できる PDF フォームを採用し、直観的な入力やオフラインでの作業を実現。さらにそのPDFフォームの管理やナビゲーションにはFlashベースの画面を「かぶせる」ことで、複数の物件情報管理や進捗状況に応じた入力支援を可能にしています。また作成データは Web サイトへの掲載や、他のシステムとの連携など幅広い利用を前提とし、再利用性の高い XML 形式とすることが決まりました。これらの要件を満たす KTツールの実行環境は、マルチプラットフォームに対応し、PDF や XML と親和性が高く、自由な操作性と豊かな表現性を備えた Adobe AIR が採用されました。KT ツールの開発にはAdobe LiveCycle Designer ESと Adobe Flex 3 を使用しインタラクティブなPDFと AIR アプリケーションを開発。会員へのKTツールの配布には、グローバルサイン社のコードサイニング証明書を使って、アプリケーションの改ざん防止、配布元の証明を行い、安全・安心な利用環境を実現しています。
さらに、PDFフォームに入力したデータをクライアント側でXML形式で出力するため、PDFフォームに特別な権限を付与する Adobe LiveCycleReader Extensions ES も導入されています。これにより、物件情報チラシや、顧客向け説明書、契約書など、複数のPDF フォームへの入力データが自動的に XML 化されるだけでなく、住所や面積など、複数ドキュメントにまたがる共通情報については再入力の手間が削減されました。
収集されたデータを管理する KT サーバは、今回のシステム開発を担当した PFU のデータセンターにホスティングされています。KTサーバには、AIRアプリケーションとサーバ間の通信を高速化するアドビのデータサービス技術(BlazeDS)が導入され、アプリケーションのレスポンス向上や、ネットワーク帯域の有効利用に貢献しています。

導入効果と今後の展望

再利用に優れているXML型式のデータは、不動産情報サイトへの登録や、より広域範囲への物件情報公開などが容易です。そのため神奈川宅建協会では、収集した物件情報をもとに、会員が共有できる独自の不動産情報データベースや、不動産情報検索サイトを展開していく予定です。
また、この業務支援システムは 2009 年 2 月には、REINS との接続も予定されています。このように先進的な技術による物件情報管理方式は、全国の宅建協会のなかでも初の取り組みであり、今後のサービス拡大が期待されています。

システム構成

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使用したアドビ製品

事例データ

事例タイプ 企業間 (BtoB)
事例カテゴリ 情報共有
ビジネスの貢献分野
プラットフォーム デスクトップPC
使用したWeb技術 Adobe AIR, Flash, Flex
会社名 社団法人神奈川県宅地建物取引業協会 (http://www.kanagawa-takken.or.jp/)
会社概要 社団法人 神奈川県宅地建物取引業協会(以下、神奈川宅建協会)は、神奈川県内の免許業者の約 8 割を占める約 7,200 社の会員で構成される県下最大の不動産業者団体です。宅地建物取引業務の適正な運営を確保し、業界の健全な発展を図るため、会員の指導育成および連絡に関する業務を行うとともに消費者等の利益の保護を目的として各種事業を展開しています。
業種 建設・不動産業
システム
インテグレータ
株式会社 PFU (http://www.pfu.fujitsu.com/)
開発企業
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